厚生労働省から、平成5年3月28日「第4期がん対策基本計画」が閣議決定されたことが報告された。目標として、1、がん予防。2、がん医療。3、がんとの共生。4、これらを支える基盤。があげられており、そこでは、「がんゲノム医療について」「がん教育及びがんに関する知識の普及啓発」について記されています。医療にたずさわる人だけでなく、多くの方々に、遺伝やがんについて知っていただきたいと思います。
遺伝性腫瘍のほとんどは、がん抑制遺伝子の生まれつきの変異が原因です。がん抑制遺伝子は、体の細胞ががんになるのを防ぐ働きを持っています。そのため、がん抑制遺伝子の生まれつきの変異があると、がんになりやすくなります。
遺伝性腫瘍の多くは、1/2の確率で子どもたちに遺伝します。自分が持っている変異のあるがん抑制遺伝子と、変異のないがん抑制遺伝子のどちらかを次の世代に受け渡すことになります。これを「常染色体顕性遺伝」といいます。
主な遺伝性腫瘍症候群としては、遺伝性非ポリポーシス大腸がん、家族性大腸ポリポーシス、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群、膜芽細胞腫、多発性内分泌腫瘍症1型、多発性内分泌腫瘍症2型などがあります。
遺伝子の生まれつきの変異は、血液検査で調べることができます。
遺伝子の生まれつきの変異がある場合には、がんの予防を考慮することができます。
遺伝とがんについて、知ることによって、不安を減らすことができます。
もっと詳しく知りたいかたは、国立がんセンターがん情報サービス、日本人類遺伝学会や日本遺伝性腫瘍学会のホームページをご覧ください。