乳腺健康アドバイス
[Vol.28]乳腺炎について
乳房に炎症をおこす病気は、授乳を行っている時期に多く、うっ滞性乳腺炎、化膿性乳腺炎、乳輪下膿瘍などがあります。
うっ滞性乳腺炎は、母乳が、乳房の中の乳腺内に溜まってしまうためにおこる乳腺炎で、乳房が赤くなって熱が出ます。その原因は、上手く授乳が行えないことによることが多く、一般的に軽いものを含めると、授乳をした女性の10~20%が経験していると言われています。
化膿性乳腺炎は、うっ滞性乳腺炎をこじらしてしまい、乳腺内に溜まった母乳に細菌が感染してしまった乳腺炎です。38℃以上の発熱が続き、乳房が赤く腫れあがってしまい、痛みも続きます。
乳輪下膿瘍は、化膿性乳腺炎をこじらせたり、乳頭陥凹のため乳腺の中に膿が溜まっている状態です。乳房が赤く腫れあがり、痛みを伴い乳房が硬くなることがあります。タバコを吸ったり、肥満があったり、糖尿病があったりするとなりやすいと言われています。
それぞれの治療のやり方には違いがあります。
うっ滞性乳腺炎の治療は、搾乳して乳腺内に溜まっている母乳の量を減らし、冷やして母乳の分泌を抑えることによって治療をします。ですから、上手に対応すれば、自分で治すことができます。
化膿性乳腺炎の治療は、搾乳や冷やすことでは治療することが難しく、病院で診察を受け、薬による治療が必要になります。場合によっては手術をすることが必要になることもあります。
乳輪下膿瘍の治療は、薬による治療や、手術で皮膚の表面を切って乳房の中に溜まった膿を取り除く必要があります。
乳房の炎症による病気は、いろいろあって、その症状にあわせて診断治療を行う必要があります。
乳腺炎の疑いがあるようであれば、かかりつけの医療機関にお問い合わせください。
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