乳腺健康アドバイス

[Vol.22]当院における乳がん手術の現状

当院では、乳がんの患者さんに対する手術を、昭和63年4月に開業して以来、平均して年間約80人に行っています。

乳がんの診断がついたあと、様々な方法で乳房内の乳がんの拡がり具合を診断して、確実に乳がんの組織を取り除くために、手術の方法を選びます。手術の方法は、大きく分けて二種類があります。ひとつは、乳房を全て切除する乳房切除術で、もうひとつは、乳房の一部を切除する乳房温存術です。
乳房切除術では、乳房を全部取り除くので、手術のあとの胸は、男性の胸のように膨らみがなく、乳首の無い状態で、一本の傷が残ります。
乳房温存術は、乳房の一部を取り除くので、乳頭乳輪は残りますが、それまでのきれいな乳房がそのまま残るわけではなく、切除した乳房の量だけ、乳房は小さくなり形のひきつれが生じてしまいます。また、手術のあとには、放射線治療を行う必要があります。
いずれの手術をうけても、乳がんの転移再発の危険度には違いがないとされています。ですから、「お乳を全部とったから心配がない。」というわけではありません。

当院では、現在約7割の患者さんが、乳房温存術をうけられ、残りの3割が乳房切除術をうけられています。
また、いずれの手術でも、特別な場合を除き、わきの下のリンパ節の手術が必要になります。その方法は、手術前にわきの下のリンパ節に転移が無いと診断された場合は、乳がんが一番はじめに転移をおこすと考えられているリンパ節(センチネルリンパ節)を手術中に探しだして検査を行い、転移が無ければ追加でリンパ節を取らずにすみます。しかし、実際に転移があった場合はリンパ節を切除します。最初から転移があると診断されている場合には、わきの下のリンパ節は切除します。

乳房切除術と乳房温存術のいずれの手術をうけても、手術後にきちんとリハビリテーションをおこなえば、手術をした側の腕が動かなくなることはありません。
乳がんの治療では、きちんと乳がんの組織を取り除くことはとても重要ですから、手術の方法はしっかり相談して決めることが大切です。
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