乳腺健康アドバイス

[Vol.18]心のよりどころ -乳がん体験者の会「いぶき会」-

看護士イラスト 乳がんは体表面近くに出来るので、何かありそうだと思って医療機関を受診する人が多い。そのような場合でも、また、軽い気持ちで安心のためにと受診して病名を告げられた場合でもショックは大きい。予知していてもそうで無くても、告知する医師の言葉は慎重であらねばならないし、また、スタッフ達の気配りも要求される。
 家に帰り、家族の対応も大切であり、これから開始される治療に対する理解と強いサポートが要求される。これら診療機関や家族の患者さんを取り巻く環境がうまく整えられれば、患者さんは安心して治療に立ち向かうことが出来る。
 治療のために入院し、そこに同病の先輩たちがいれば、こんな病気に罹ったのは自分だけではないのだとわかり、一段と安心して治療を受けることが出来る。手術時には家族にも来ていただき、そのきずなを確かめ合ってもらう。術後のリハビリ時には同病者との交流をはかる。ときには、いぶき会のメンバー2〜3人が訪問してくれ、手術後の治療や社会復帰、更には下着の問題まで自分たちの体験を余すところなく語ってくれ、手術後の患者さん達にとって大切な時間帯となる。
 いぶき会は、院長が高知市民病院で昭和48年に手術した患者さんたちによって作られた乳がん体験者の会です。相互扶助とボランティアを目的として活動し、30余年間続いています。乳がんは手術後にも精神的苦痛に悩まされることもあるので、会があることが助けとなることも多い。体験者であれば入会は自由に出来ますし、また、非会員であってもいろいろの会合への参加は出来ます。
一覧に戻る